回虫博士

 戦後暫く、日本国内では回虫・蟯虫・条虫・フィラリア・住血吸虫等が蔓延り、回虫駆除には海人草製剤が使われましたが、是が可成り強い薬で、服用後暫くは灯りの回りに日暈の様な輪形に虹の見える人も居ました。
 長年の努力で、国内で是等の感染は稀に見られる程に珍しいものになりましたが、外国では是等が普通に風土病として見られる所が有ります。
 寄生虫撲滅に努力した人の中で平成6 (1994) 年に「笑うカイチュウ」という本を出した藤田紘一郎博士が居ます。寄生虫が居なくなった所為で多くの大学から寄生虫学の学科や講義が消え、研究者達は職を追われたと聞き、私の血圧は少々上がりました。
 藤田紘一郎博士に依ると、回虫・蟯虫の感染が普通なカリマンタン島にはアトピー・花粉症等のアレルギー疾患が全く見られないそうです。博士も、条虫を腹の中で飼い始めてから花粉症にもならず、中性脂肪コレステロールも大幅に落ち、至って健康を享受してるとか。