危ない化粧法など

  蠅が原因の眼病を予防する効果が有るとして、マラカイト(孔雀石)を擂り潰した粉末を用いるアイシャドウが、クレオパトラを始めとするエジプトに始まったと謂われます。
 中世の欧州では、目の魅力を増す為に、ベラドンナの抽出液を点眼して瞳孔を開かせる化粧法が貴族女性の間で流行しました。是は入射光を調節出来ないので失明の危険を伴いました。最近では、視力回復以外の目的で様々なコンタクトレンズが使用され、弊害も出てる様ですが、目の故障が生活を相当不便にする結果に留意しない人も居る様ですね。
 古くから世界中で使用された白粉(おしろい)に鉛が含まれ易く、中毒で様々な病を患い、使用量に依っては死亡した例も有るとか。是は早くから知られてましたが、日本で含鉛白粉が禁止されたのが昭和9 (1934) 年とは驚きですね。
 古代ローマでは加工の容易さと資源が不自由でなかった為に、水道管から酒甕まで鉛が使用され、ワインの甘味付けにも酢酸鉛が使用され、此方法は欧州で少なくとも18世紀末迄は続き、ネロの発狂もベートーベンの聾疾と肝臓病も酢酸鉛を含むワインの多飲が原因とする説も有ります。