シベリア鉄道

 ロシア・モスクワから国内南部を東西に横断して沿海州ウラジオストクに達する鉄道で、全長は9,297km、世界一長い鉄道です。
 嘉永3(1850)年、シベリア鉄道の計画が始まりました。
 明治13(1880)年代、太平洋側の線路の起点はウラジオストクに決定されました。
 明治24(1891)年に建設を開始、1435mmの欧州標準軌より広い1520mmを採用しました。
 日露戦争最中の明治37(1904)年9月に漸く全線開通しました。
 平成4(1992)年1月にウラジオストクが対外開放され、外国人旅客も全線乗車が可能となりました。
 平成12(2000)年にNHKで放送された『五大陸横断 列車の旅』によるとモスクワ - ウラジオストクまでが1等約15000円、2等約7500円でした。(2001年のロシアの月収は6000円前後)。
 昭和4(1929)年に始まった電化工事は2002年に全線で完成し、列車の積載量は6,000tにまで増加しました。また複線化工事なども継続しています。

 シベリア鉄道沿線は氷点下50℃にもなる極寒である為にロシア国内の列車だけでなく他国からの国際列車も耐寒の車両が使用され、石炭ストーブを備えています。これは技術が遅れている訳ではなく、電気によるエアコンや石油ストーブよりも信頼性が高いと考えられているからで、路線の大半を占める極寒の地において万一暖房装置が故障したら生死に関わる為です。列車は垂れ流し式トイレなので停車中には使用出来ません。