自販機

 最初の自動販売機と謂われるのは紀元前215年頃、古代エジプトの神殿に置かれた聖水(生け贄の水)の自販装置。梃の原理を応用し、投入された5ドラクマ硬貨の重みで内部の受け皿が傾き、その傾きが元に戻るまで弁が開いて蛇口から水が出る。これの記述図解はアレクサンドリアのヘロン著『気体装置(Pneumatika)』にあるが、誰が発明したかは不明。
 硬貨で動作する初の自動販売機は、明治13 (1880) 年代初頭にロンドンに設置された葉書販売機。現在の様に、ボタンの選択によって複数の商品が取り出せる自動販売機は、大正14 (19259 年にアメリカで開発された。
 日本では、下関の俵谷高七が1888年(明治21年)に発明して内国勧業博覧会に出品された煙草自動販売機が最初であるとされている。
 日本での自動販売機は昭和40年代に急速に普及したが、その要因として昭和40 (1967) 年に国鉄が合理化の一環として、都市部で近距離乗車券発行用自動券売機の全面的な導入に踏み切った事、昭和42年に100円・50円新硬貨が発行された事が、大きな影響を与えたと謂われる。
 日本全国の自動販売機設置台数は20世紀中は増加の一途を辿り、平成12 (2000) 年には560万台とピークを迎えた。21世紀に入ってから減少傾向に転じ、平成19 (2007) 年末には日本自動販売機工業会の調査によれば540万5,300台、平成20 (2008) 年12月末には526万台とその傾向が続いている。(Wikipedia)