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舶来主義

 抑も、昭和25 (1950) 年代以前の日本では、欧米の工業製品といえば「高級品」や「一流品」の地位を獲得しており、これらは百貨店店頭のショーウィンドウなど等で大衆の面前にガラス一枚隔てて簡単には手の届かない価格を掲げ展示販売されている物というイメージが有り、此様な物を舶来主義者が「舶来品」として珍重していた歴史が有ります。

 今でも、比較的高齢な人々の「欧米からの輸入品=高品質な高級品 (例えばカメラなら‟ライカ”、クルマなら“フィアット”)」というイメージや、どの年代でも、舶来物とは言わずとも、海外ブランド製品や珍しい農産物・または農産加工品等は矢張り生産国から輸入する他無く、其様な物品は日本国内市場で大いに評価され、消費されています。

 日本での、輸入品を珍重するという文化では、唐物に代表される中世から近世にかけて中国方面から齎された器物を宝とする意識も存在した様に、海外物輸入品を珍重するという文化では嘉永4 (1851) 年第1回ロンドン万国博覧会に34カ国が参加して以来の世界的現象ではないでしょうか。

 ジャポニスムの第一段階は日本の美術品、特に浮世絵版画の熱狂的な収集から始まるとされ、安政3 (1856) 年頃、フランスのエッチング画家フェリックス・ブラックモン(フランス語版)が、摺師の仕事場で『北斎漫画』を目にし、万延元 (1860) 年から1861年にかけて出版された日本についての本の中で浮世絵がモノクロで紹介されたのが其嚆矢とされています。敗戦直後、日本占領軍駐屯地のスーベニア・ショップで「ウタマロ」が滅茶苦茶売れたのは、例の爺さん始め知る人ぞ知る地域限定有名現象です。