伝書鳩

 伝書鳩(レース鳩)は、飛翔能力と帰巣本能が優れ、1000km以上離れた地点から巣に戻ることが出来ると謂われました。目的を確実に果たせるよう同じ通信文を複数の伝書鳩に持たせて放されることも多かったのです。通常は200km以内での通信・運搬等に使われていました。
 電気不要、フィルムや薬品・血清・家畜の精子等、軽量な物資を素早く運搬できるなど、無線通信などに比べて利点も有る為、通信用・軍事用(伝令や偵察)・報道用・医療用・畜産用等として昭和35 (1960) 年頃まで広く使われましたが、現在では競技等を除き、実際に使われる事は稀です。
 紀元前約5000年のシュメールの粘土板にも使用を窺わせる記述が有ると謂います。確実な記録では、紀元前約3000年のエジプトで、漁船が漁況を知らせるために利用していた(らしい)とか。当時からハトは主に食用として飼育されており、伝書鳩としてはあまり広く使われていませんでした。今でも世界中の彼方此方で鳩が食べられています。
 日本では江戸時代の本に食用の加工法が載ってるらしいです。