1円の価値

 明治4年の庶民的なそばの値段で換算すると、掛け蕎麦の値段が5厘。今、富士そばの掛けが280円。明治4年だったら1円で5厘の蕎麦が200杯食べられるので、1円の価値は、280円×200=56000円ということで1円は今の価値で、5万6千円。明治初年の1円は今の1万円という評価も有ります。選ぶ対象で評価額が変わるのです。

 昭和元年(1926)の価格・米10kg 3円20銭(4000円)1250倍・コーヒー1杯 10銭(350円)3500倍・ガソリン1ℓ18銭(136円)760倍・映画館入場料 30銭(1800円)6000倍・ビール大瓶1本 42銭(340円)800倍・公務員初任給 75円(18万円)2400倍。カッコ内は現在の凡その価格

100年間で起こってきた主なインフレ
■終戦後   1934~1954年---------------消費者物価指数 300倍にup
■高度成長期 1956~1972年---------------消費者物価指数 年平均4.5%上昇
■石油危機  1974年-------------------------消費者物価指数 単年で23.2%上昇

 消費者物価推移は1950年を1として1975年が3.5、1995年が8.2、以降は数字を少しづつ上下。物に依って値上がりの程度が違うので「正確な」比較は無理の様な感じもします。
1円玉
1870(明治  3)年:旧一円銀貨発行。(今の約10000円)
1871(明治  4)年:旧一円金貨(本位金貨)発行。(アンパンの値段から推定)
1874(明治  7)年:新一円銀貨発行。
1948(昭和23)年:一円黄銅貨発行。(今の約5円)
1955(昭和30)年:現行一円アルミニウム貨発行。(今の約2円)
1968(昭和43)年:生産過剰となったため1年間製造を休止。
2011(平成23)年 : 2013年:需要減少で、貨幣セット向けを除き製造を休止。
2014(平成26)年 : 消費税引き上げに伴い生産再開。(今の約1円)

アンパンの値段の推移
明治07年(1874年)……5厘(厘…円の1000分の1)
明治38年(1905年)……1銭(銭…円の100分の1)
大正06年(1917年)……2銭
大正12年(1923年)……2銭5厘
昭和13年(1938年)……5銭
昭和26年(1951年)……10円
昭和31年(1956年)……12円
昭和43年(1968年)……20円
昭和46年(1971年)……30円
昭和47年(1972年)……40円
昭和49年(1974年)……60円
昭和54年(1979年)……80円
昭和62年(1987年)……90円
平成  8年  (1996年)  ……120円
平成28年  (2016年)  ……150円

敗戦直後の猛烈なインフレが思い出されます。