屠殺人

 屠殺人は成り手のない職種の筆頭格と謂われている。違法派遣・不法就労を含めた外国人が多いそうだ。初心者の日当は1万円程度だが面接段階で辞めていく人も多いという。此処で働いては結婚が出来ないからとの理由で退社する者も居る。

 熟練者になると、月80万円の稼ぎになるという。-35度の冷凍庫内の作業はきつく、誤って指を落としたり、骨折したり、生傷が絶えない危険な職場だ。

芝浦屠場
 日本最大の食肉センターである。一日に牛は350頭、豚は1200頭を屠畜解体する。作業員は全員が東京都の職員、詰まり、公務員である。

 屠殺は旧来、家畜を飼っている各家庭では日常的かつ普遍的に行われていたが、これが次第に世間一般から隔離されるにつれて穢れのように扱われ、差別を被った事例もある。

 昔の炭鉱長屋では鶏や兎を飼って居り、正月等では交換し合ってシメたものだ。鶏は羽と両足を掴まれて、木材の上に首を載せ、ナタで一気にブチ切って放される。結構走ってから倒れるので、餓鬼どもへの良い見世物だったとか。