「数珠玉」

 幼児を過ごした家の近所で、塀沿いの日陰に成り易い或箇所に子供達が「数珠玉」と呼んでいた白っぽい固い実の生る草が生えており、後に此名称が本物だと知って驚きました。「雑草と言う物は無い。全てに名が有る」と近侍を嗜めた昭和天皇陛下には申し訳有りませんが私は草木の名には極めて不案内で、遠くから見れば桜も梅も杏も見分けが付きません。散歩をして綺麗な野草の花を見ても「綺麗だ」で終わりです。幼児には何とかザウルスとかクルマの名前等を実に詳しく知って居るのを見かますが彼等は私にとって真に尊敬に値します。

 三味線撥からの俗称とされるペンペン草も、何故か幼稚園前の小さい時から知っていました。特徴的な三角の小さい葉っぱの所為でしょう。不景気の象徴とは、当時既に知って居ましが、春の七草ナズナだとは高校へ行く迄知りませんでした。確かに、生えて居た場所は余り地味の肥えた所ではなかった様な気がします。

 都市に依っては、殆ど丸坊主に近い剪定がされて居る街路樹も見掛けます。理由は有るのでしょうが本人の身に成って見れば必死で枝葉を出さねばならず、酷い扱いですね。