森林火災

 東南アジア、北米、アマゾン……世界中で毎年の様に森林火災が多発しています。
 シベリアの森を年間10万ha焼く原因の9割以上が煙草等の人災で、米・加州の消防機関カル・ファイア(Cal Fire)に依れば、95%の山火事の原因が人為的なものとか。
 2016年5月上旬にカナダのアルバータ州北部で発生した大規模な森林火災は、60万ha近くもの森を消失させ、前年の夏にノースウエスト準州で発生した森林火災では、沖縄本島より広い137万5千haの森林が燃えました。
 インドネシアの2015年の大火災は、森林を焼いた煙が海を越えて数百km離れたマレーシアやシンガポールまで達し、宇宙からも見えたほど。焼失した森林面積は、7月以降だけで約200万ha以上で、九州の半分に近く、是程大規模な森林火災は、今世紀に入って始めてでしょう。

 実は、森林の生態系の中には、火災も含めた「攪乱」が重要だとされています。定期的な「攪乱」が無いと、生態系が維持出来ないとさえ指摘されています。
 それは、焼けることで大きな木々の樹冠などが失われ、林内に光が入るようになると、新たな種が伸びるチャンスを得るからで、又、地表が焼けることで、植物に悪影響を与える病原菌が死滅したり、土に溜まった成長阻害物質が蒸散するため成長し易くなり、更には、植物の中には種子が火にあぶられることで発芽し易くなるものさえ有るのです。

 自然の摂理は複雑ですね。