聖墳墓教会

 エルサレム旧市街にはユダヤ教イスラム教の聖地と並び、キリスト教の聖地「聖墳墓教会」がある。キリストの墓とされる場所に建つこの教会には複数の宗派が共存しており、鍵を管理しているのは「1187年以来、何代も続くイスラム教徒の2つの家族」だ。なぜキリスト教徒の聖地の鍵をイスラム教徒が受け継いでいるのか。現在の鍵の管理者の1人、ワジー・ヌセイべさん(67)に聞いた。

 聖墳墓教会カトリック教会やギリシャ正教会コプト正教会などが共同で使用しており、内部には各宗派がそれぞれ独自に管理する区域がある。

 教会の入り口にいたヌセイベさんは、「宗派の間でいさかいがしばしば起きるため、中立の立場のイスラム教徒である私の祖先が鍵の管理を委ねられた」と話した。

 鍵はヌセイベ一族と、もう一つのイスラム教の一族が共同で管理。夏は毎朝5時、冬は4時に門の鍵を開けた後、各宗派の聖職者が入るのだという。

 父親から鍵の管理を受け継いでから35年。「いずれは31歳になった子供に仕事を明け渡す」。ヌセイベさんは、この教会を5月に訪れたトランプ米大統領のほか、ローマ法王フランシスコとの写真などをみせながら語った。
http://www.sankei.com/world/news/170625/wor1706250021-n2.html
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