扁平足


 日本人の7割は扁平足、約2割は甲高で、正常な足の人は1割といわれている。

 日本で初めて足専門クリニックが出来たのは2013年の事。東京・表参道にある『足の診療所』だ。院長の桑原靖さんは「日本の足医療は、欧米に100年遅れと謂われる」。

 「欧米では足病の専門クリニックが有りますから、足に異変を感じたらすぐに対処する習慣が有ります。でも日本にはそういったクリニックがなかなか無いのが現状。そもそも女性患者の大半が『足が痛いのは当たり前』『足が痛くても我慢すればいい』と思っていて、中には『タコや魚の目、靴擦れなんて、誰にでも出来るもの』と思い込んでいる人もいる程です。更に、長期間糖尿病を放置していると合併症によって足に痛みを感じなくなり、その結果、ちょっとした靴擦れに気づかないまま、傷口から細菌に感染し、最悪の場合、足の切断になるケースも有ります」

 足疾患症状の原因はどれも、足裏にある3本の足アーチが崩れた事によるものだ。

 「生まれた時はみんなアーチがなく扁平足。歩き始め、靴を履くようになって、アーチが形成されていき、9歳頃までにその人の足の形が決まります。子供の頃に運動量が足りなかったり、足に合わない靴を履き続けていたりすると、アーチが形成されず扁平足になります。それで、外反母趾になったり、巻き爪になったり、足の裏が痛くなったり、指先が変形したりと、何かしら足にトラブルが出てしまう。逆にこのアーチが上がりすぎてしまっている人が甲高で、生まれつきが多く、やはり足の痛みや変形の原因となります」(桑原さん)

 扁平足と同様に、足のアーチが減ったことが原因の「モートン病」が、中高年女性に急増している。『足と靴の外来』を設けているお茶の水整形外科の院長・銅冶英雄さんが説明する。「モートン病患者の90%が女性だといわれています。これは足裏の横アーチが低くなり、足幅が広くなった状態の開張足による前足部の痛みが長く続くと、足の指の神経が刺激されて、痛みやしびれが出て来る事。人によっては脳天まで響くような痛みがあると訴える場合もありますし、扁平足と同じように、足のアーチが無くなった事で体のバランスが悪くなるので膝痛や腰痛、肩凝りなど、様々な不調の原因となります」
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