てんとう虫


羽を樹脂で固めた「飛べぬテントウムシ」で除虫
2018年1月21日20時17分
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180120-118-OYT1T50018/list_%2523IMPTNT から

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パラフィン紙の封筒に入ったテントウムシ。農場内に置くだけで放し飼いできる(県立農業大学校提供)

 

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羽を樹脂で固定したテントウムシ(県立農業大学校提供)

 
 千葉県立農業大学校東金市)が、野菜や果物などに付く害虫アブラムシを食べる「飛べないテントウムシ」を商品化し、今月から販売を始める。

 同校によると、アブラムシはウイルスを媒介して病気を広めるなど、農作物に被害を与える。防除に化学合成農薬が使われてきたが、薬剤耐性があるアブラムシも出現。農薬を削減する消費者ニーズも高まっており、テントウムシの活用に注目が集まっていた。

 「飛べないテントウムシ」はこれまで、飛ぶ能力の低い個体を交配する品種改良で生まれたものが販売されていた。
 活用するのは、テントウムシの一種「ナミテントウ」で、手芸などで使う接着道具「グルーガン」で羽に樹脂を垂らして固定する。放し飼いしても農場にとどまり、1匹あたり1日約100匹のアブラムシを食べるという。繁殖能力などに影響はなく、樹脂は約2か月で自然にはがれ、再び飛べるようになる。

 この技術は、県立成田西陵高校の生徒が開発し、2014年に特許を取得。農業大学校は、実用化に向け、農場で放し飼いする方法などを研究した。パラフィン紙で作った封筒の中に飛べないナミテントウを入れ、開封して置くだけで農場に放たれる技術を開発した。封筒は自然分解される。また、効率的に樹脂を付ける用具の開発にも取り組み、商品化にこぎ着けた。

 商品にするナミテントウは、殺虫剤の散布やトラクターでの耕耘の前の農場から成虫や卵などを集め、繁殖させた個体を使う。

 当面は農家を対象に、10匹500円で販売する。同校は「この商品を活用し、自然の持っている力を借りた環境に優しい農業を、県内の多くの農家に取り組んでほしい」と期待を寄せる。