名古屋城の復元めぐり論争


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名古屋城の復元めぐり論争 「史実に忠実」か「エレベーターは必要」か
11月24日(金)18時16分 J-CASTニュース

名古屋市名古屋城天守閣を江戸期の姿に木造復元することを決定したが、エレベーターが設置されないのはおかしいとし、地元の障害者団体が2017年11月21日に河村たかし市長宛てに設置を求める公開質問状を提出した。

現在の天守閣は1959年に鉄筋コンクリートで再建されたもので、屋内には23人乗りエレベーター2基があり、誰もが乗り降り出来るようになっている。それだけに新しい天守閣に登れない人が出て来るのは障害者やお年寄りなどの「排除」になる、と訴えている。

名古屋城は慶長14年(1609年)に徳川家康の命によって築城された城で、5層5階の天守閣が完成したのは1612年。1930年には城郭として初めての国宝に指定された。59年には市民の願いで二度と焼けることが無いようにと鉄筋コンクリート天守閣が再建。エレベーターは屋内、屋外に計3基設置され1階から5階まで乗り降りが可能になったが「史実に忠実」にするため、エレベーターはやめて、椅子が昇り降りする階段昇降機を1階から5階に整備する案が出た。市は有識者会議を経て11月16日にこうした方針を発表したところ反発が起きたのだ。

障害者団体「愛知障害フォーラム」は11月21日に記者会見を開き、市長あてに公開質問状を提出し「エレベーターを設置し、誰も排除しない城にしてほしい」と訴えた。24日に編集部が取材したところ、椅子が昇り降りする階段昇降機では腹筋が弱いなど現実的に乗れない人もいて、時間がかかるし安全にも疑問が残ると。「障害者差別」という言葉を使えば「権利だけを主張する」という反発を受けるため「そもそも、これまではエレベーターで移動が出来たのに、車椅子や体の衰えた老人、ベビーカーなどが『排除』される形になるため、それは可怪しいということです。しかも、これから造ろうとする建築物であり、全ての人が安心して楽しめるようになってほしいという願いからです」との要望を市はどう受け止めているのか。

観光文化交流局に話を聞くと、担当者は、「市長から障害者団体の方々の意見をよく聞くように、と指示されています」と話した。市としてはエレベーターをどうするかの結論は17年度中にはっきりさせたいと考えているという。

ネット上ではこの件について「目立たない所に設置したエレベーター以外は、忠実に作ればいいだろう。今時バリアフリーに逆行って何考えてんだ」「忠実に復元したと謳って、エレベーターがあったら観光客の笑いものになるだけ」と賛否両論が語られている。

姫路城など江戸時代からそのまま残っている城は付いていない。が姫路城に取材したところ、「エレベーターはありますか?」という問い合わせがたまに有るのだという。エレベーターがあれば便利なのは間違いなく、15年に5年をかけた天守閣の保存修理工事を完成させたけれども、工事の間は特別に仮設エレベーターを設置し車椅子でも移動できるようにしたところ大好評だった、という。但し、これはあくまで仮設として期間限定で設置したもの。本格的に設置するとすれば、それは「文化財破壊」になりかねない。

「エレベーターを設置するなど以ての外なんです。江戸時代から続く有りの侭の姫路城を見てくださいと話しております」と担当者は説明した。


見物客に占める障碍者の割合は少ないと見られるから、出来るだけ完全に原形に即した再建が望ましい。が、障碍者等への配慮として、階段を昇降出来る車椅子等の補助具や補助心得の有る職員を用意する等の対策も要る。おカネが掛かりますからねぇ・・・