ギャングが貧民に予防接種


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悪名高きギャングが看護師を誘拐し貧しい人々に予防接種をさせるという事件(ブラジル)
2018年02月20日

 2017年初めごろからブラジルでは黄熱が流行し、今年に入ってからすでに数十人が死亡。感染者は増える一方で、しかしワクチンが不足している状況だという。

 政府はその対応に追われており予防接種センターはフル稼働しているが、貧困層までは手が回っていないようだ。

 そんな中、「2N」の名で知られ、ブラジル・リオデジャネイロで最も危険なギャングの一人とされるトーマス・ビエラ・ゴメスがある大胆な行動に出た。

 リオデジャネイロの最貧困エリアの一つであるサルゲイロの人々に黄熱の予防接種を受けさせるべく看護師2人を誘拐したのだ。

地元民のためにギャングが看護師を誘拐
 1月27日夜のこと、トーマスと仲間たちは地元にある国営の診療所に黒色の車2台で乗り付けた。

 そしてありったけの注射器と黄熱のワクチンを奪い、男性看護師2人を誘拐した。

 その後、サルゲイロのバーにて、看護師らは数時間かけて貧困層の人々に黄熱の予防接種をした。

 看護師らはそれが終わると無事に診療所に送り届けられた。

ブラジルのネット民から称賛の声が続々
 看護師らによると、
トーマスと仲間たちの話では、サルゲイロの住民らが予防接種センターに行ったところ黄熱の予防接種をうけさせてもらえなかった。だから犯罪行為に及んだそうだ

とのこと。

 この件についてリオデジャネイロ警察は誘拐事件としての報告を受けていないとしており、保健所は状況を調査すると発表している。

 またブラジルのネット民の間では「2N」を「現代版ロビン・フッド(中世イギリスの伝説的英雄)」として称賛する声が続々とあがっている。

 だが一方でトーマスが手配中のお尋ね者なのも事実であり、捜査当局は約32万円の報奨金を用意し情報提供を呼び掛けている。