乳酸菌

 人体に有益な乳酸菌を摂取する考えは、ロシアの科学者であるイリヤ・メチニコフの発案だとされる。ブルガリアに長寿者が多いことに目をつけ、ブルガリアの乳酸菌を摂取させたところ、腐敗物質が減少したので自家中毒を防止できて長寿になると唱えた。他に、ケフィア(発酵乳飲料の一種)や酢漬け、塩漬けの食品によって人々は知らぬうちの乳酸菌摂取を指摘している。其後も研究は発展し、有害な腸内細菌が作る毒素も生活習慣病につながる一因であるということが分かった。

 ヨーグルトをはじめ、初期に開発された製品では、殆どの乳酸菌が胃で死滅、腸に到達しないと明らかになった。其後、生きたままの菌を腸に到達させることが可能になった。

 善玉菌と呼ばれるものには乳酸や酪酸など有機酸を作るものが多く、悪玉菌にはウェルシュ菌に代表される、腐敗物質を産生するものを指すことが多い。悪玉菌は二次胆汁酸やニトロソアミンといった発癌性のある物質を作る。

 日本ではトクホに食品機能表示が認可されている。認可された食品はヨーグルトとして乳酸菌を含んでおり、食品の摂取によって便秘や下痢の改善、善玉菌に分類される菌が増殖し有機酸が増え、悪玉菌が減少しアンモニアが減ったため腸内環境が改善されたことを示す研究結果が多い。トクホには、血圧や血清コレステロールの低下が確認された製品がある。花粉症などのアレルギー症状が軽減されるという研究報告もある。(wikipediaより)