ドクターコール


「お客様の中にお医者様は...」  宇多田ヒカル遭遇「ドクターコール」の現実は?
2017年12月6日 18時32分 J-CASTニュース

歌手の宇多田ヒカルさん(34)が半月ぶりにツイッターを投稿した。内容はフライト中の飛行機内で乗客が気絶し、「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか!」というドクターコールを受け、女性の医師が気絶した乗客の元に向かった、という内容だ。これが、ちょっとした議論に発展することになった。
17年12月6日、飛行機の機内アナウンスで「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか!」という場面に初めて遭遇し「私のすぐ後ろの席の女性が医者で、クルーに案内されて気絶した乗客の元へ向かう後ろ姿がすごくカッコよく見えた」
とツイートした。これが大きな話題となり
「それはカッコ良すぎる」
「ドラマみたいですね」
「自分は飛行機ではなく、電車内で何年か前に遭遇しました その時、お医者様って凄いと感じました」
などのコメントが寄せられている一方で、こんなコメントもあった。
「何かあった時に医療訴訟される可能性があるので、飛行機に乗っていても名乗らないって話を聞いてことがある」。
というのも緊急の場合は医療設備や薬が十分に無い状況で初見の患者を診ることになる。にもかかわらず場合によっては、医療ミスとして訴訟を起こされ莫大な慰謝料を請求される可能性があるからだ。実際、JR東日本が医療設備を車両に搭載すると発表をした時に、ちょっとした騒動もあった。
JR東日本が14年3月15日のダイヤ改正から、所有する新幹線、特急に医療支援道具7種を搭載する、と発表した際には、医師と思われる人物から
「院外だから医師賠償責任保険もカバーしてくれないので、親切心で名乗り出るからにはべらぼうな賠償を覚悟しなければならぬ」
などといった反発がツイッターに出た。これに対し高須クリニック高須克弥院長は
「居合わせた医者に全部おまかせするしかないだろうが!緊急なんだからそれでいいのだ。人任せにするな!逃げるな!これが医道ってもんだ!君には倫理は無いのか?」
「馬鹿なこと言うな!医師免許がそれほど大事か?人命のほうが大事に決まってるではないか!保身に走る人は医者になるべきではない」
などと応戦し、ネット上では、「新幹線で救命処置を行う医者はバカか?」といった論争に発展した。
宇多田さんはどこの国で飛行機に搭乗したのかは不明だが、アメリカやカナダでは「善きサマリア人の法」が施行されている。これは航空機内などで救助活動を行い失敗してしまった場合でも、善意の無償行為ならば責任は問われない、という法律だ。しかし、日本でこうした法律は施行されていない。
一方、日本航空JAL)と日本医師会は16年2月から「JAL DOCTOR登録制度」を実施している。国内の航空会社としては初の試みで、医師の資格証を持つ「JALマイレージバンク」会員に任意で登録をしてもらい、機内で急病人が発生したときに、ドクターコールは行わずに乗務員が直接その医師に声掛けし医療対応をお願いする、というもの。仮に医療対応に起因し、医療行為を受けた乗客からの民事上の損害賠償責任が生じた場合は、故意、重過失の場合を除き、日本航空の損害賠償責任保険を適用する、などの内容となっている。全日本空輸も同年9月から、同様の「ANA Doctor on board」を運用している。
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古いニュースで御免なさい。最近は色々と積極的な動きが有る様です。
https://storys.jp/story/8778?page=4 に、興味深い話が載っています。