暴落するタワマン?

将来価値が暴落するタワマンはどこ?
日刊SPA! 2018/06/14 15:55 から


首都圏では近年、常にどこかのエリアでタワマンが建っており、湾岸エリアにいたっては、どこを見ても大規模な建設現場という状況だ。しかし、今、タワマンの供給過剰が叫ばれ、中国人投資家も投げ売りし始めたという噂も聞こえてくる。一方、住人たちも購入前は予測だにできなかった数々の問題に直面していた――。

 オラガ総研代表の牧野知弘氏は「どうしても買って住みたいなら、3年くらいで売却して引っ越す覚悟を持って」とアドバイスする。

「タワマンの購入者には、余剰資金を節税や投資目的で投入したという人と、自ら生活するために住宅ローンを組んだという人がいる。前者は今後、本格的に価格の下落局面がきたら逃げ足は速い。
 しかし、タワマンを生活の場として根を下ろしてしまう後者は、なかなかそういうわけにいかず、含み損を抱えて眺めるだけということになりかねない。また、賃貸に出ている物件が多いタワマンは前者の割合が多いということなので、彼らの投げ売りが始まれば空室率が高まって資産価値が一気に下がることになります」

 一方、住宅ジャーナリストの榊淳司氏はこう提言する。

江東区有明や千葉など、交通が不便な場所にあるタワマンを買うくらいなら、五輪が終わるのを待って、価格が下がってきた勝どきや晴海の物件を買っておいたほうが、将来における資産価値の減損は少なくてすむでしょう。それらのエリアは、年収1000万円超の世帯が日本一密集しているといわれているし、立地としてのブランドは残るのではないか。
 それが無理なら北千住や南千住など、昔から街があったところに建てられた物件のほうがマシ。埋め立て地や荒野を切り開いて開発されたような人工の街には土地の価値はなく、タワマンバブルが崩壊すれば何も残らない。約40年前に人々のあこがれだったのに、今や限界集落化している多摩ニュータウンと同じ道をたどるだけ。
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 今はきらびやかに映るシーサイドのタワマンも、その実態は砂上の楼閣なのかもしれない。
<取材・文/池松信二 撮影/山田耕司、山川修一(本誌)>