震度6で大崩落

https://www.asagei.com/excerpt/5072  Posted on 2012年4月24日 10:58 から
首都高速「震度6で大崩落」
 首都直下型地震で首都高を襲うのは周期1秒未満の短周期地震波、いわゆる『キラーパルス』。青天井の震度7は無論の事、震度6強でも何が起きるか分らない。
 事実、95年の阪神・淡路大震災では、そのキラーパルスによって、倒れる筈の無い阪神高速の一部が無残にも横倒しになった。
 東京で最大震度5強を記録した東日本大震災では、一連の耐震補強工事が施され筈の首都高で、ジョイント破損10カ所、路面損傷11カ所、トンネル内漏水5カ所、支承(橋桁と橋脚の間の部材)脱落1カ所、トラス部材(トラス橋の構造部材)損傷1カ所、料金所損傷1カ所など、大小合わせて29カ所もの被害が発生した。
 話は60年代に遡る。当時、下請け業者として首都高の建設工事に当たっていた元現場監督が、衝撃的な言葉を口にした。
「俺を含む数人で会食をしていた時の事だ。1人が『首都高で渋滞にハマると、ユラユラ揺れておっかない』と言うと、別の1人が『バカ言うな、首都高は揺れるから壊れないんだ』と応酬した。その遣り取りを聞いていた俺は、『いや、首都高は大きく揺れると間違いなく壊れるぞ』と言ってやったんだよ」
「此処だけの話だが、実は橋脚の型枠に生コンを流し込む際、現場に散乱していた廃材やらガレキやら何やらを一緒にブチ込んだんだ。廃材を処理するにもカネがかかる。大きな板切れなどは、日雇いの作業員に命じて、ツルハシでバラバラにさせ、どんどん投げ入れさせた。生コンを流し込むたびに、手当たり次第という感じだったな。だから、橋脚の中身はスカスカだ。でかい地震が来たら、一発でジ・エンドだよ」
「あの頃はどこの現場でも似たようなことをやっていた。え、首都高はそんなにもろいのかって? 現場監督として実際に首都高を造った俺が言うんだから間違いない」(元現場監督)

建設省OBが続ける。
「橋脚の強度が足りなければ、キラーパルスの揺れによって、橋脚は橋桁もろともに大崩落する。同様に、一部の基礎杭が支持層まで打ち込まれていなければ、沈下する橋脚とそうでない橋脚とによる捻れによって、構造物全体が破壊されてしまう。その結果、首都高を走行中の車が次々と落下、その衝撃で爆発、炎上し、それが更に下道の車列に燃え広がるという大惨事にも成り兼ねない」
 「首都高は長年にわたる酷使で経年劣化が進行し、建設年次の古い路線などは正に重症。路盤を張り替えるため、アスファルトを引き剝がしてみたら、下のコンクリートがボロボロの状態だった――そんな事も有ったと聞いている。今更60年代の粗製乱造の責任を追及してみた所で意味は無い。問題を一気に解決するには造り直しがベストだが、その場合は建設費用の一部を通行料金に転嫁せざるを得ない。安全を取るか、経済を取るか、悩ましい問題だ」
 老朽化した路線の安全性は「待ったなし」の状況にある。
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 例の爺さんの知人が大阪万博建設工事へ臨時工に出掛け、帰って来てから言うには「あの時造ったビルには入りたく無いね。滅茶苦茶な工事してたからな。阪神大震災では大阪は震度4だから助かったんだぜ」。