PTA役員

PTA役員

 一番気の弱い人が、其沈黙に耐えられなく成って役員を引き受けることになる。

 うちの高校では、立候補者が居なければ、最後には籤引。欠席していても『○○さんの分』と言って籤を引かれるので、逃れることは出来ない。一度、フルタイムで働いているお母さんが籤で一番大変な本部の役員に当たってしまい、電話を受けた時に泣き崩れてしまったと聞きました」。

 成り手が居ない場合、標的にされ易いのが専業主婦。然し、外で働いていないとはいえ、親の介護や自らの体調など、それぞれに事情を抱えているもの。それ故、時にはこんな事態を招く事も。
『どうしても出来ないんです』と理由を言いたがらないママに『専業主婦なのにどうして?』と問い詰めると小さな声で『癌なんです』。その場が一瞬凍りつき、結局、他のママが引き受けました。

 所が、「誰もやりたがらないなら、私が」と他のママたちの事を思って立候補した事が、飛んだ軋轢を生んでしまう場合もあるから、ややこしい。
「役員決めの重い空気がイヤ」と、自ら手を挙げて子供の中学の役員になったAさんは、暫くしてから「あの人は本当に出しゃばりで困る」「役員をやりたい人が他に沢山居るのに、しゃしゃり出て良い気になって。何かおいしい事でも有るのかしら」。などとの
噂を流した人は、実は役員が遣りたかったけど自分で手を挙げてというのは格好が付かないので、推薦してくれる係のような友達を立てて、その推薦で『嫌々成ったけど頑張る』みたいな状況を用意していたんです。それを邪魔した格好に成ったために、逆恨みされて。女同士って、本当に面倒臭いですよね」。

※女性セブン2012年4月19日号
http://news.livedoor.com/article/detail/6493667/