知らしむ可からず

 論語に「民は之に由らしむ可し、之を知らしむ可からず」 というのが有ります。従来は之を一部の日本人は「民は依存させよ、知らせてはならない」と誤訳してきました。本当は「民衆に範を示し、従わせることは可能だが、道理を示し理解させることは難しい」が本義だとか。
 実質的に日露戦争は日本の勝利に終わりました。然し、政府の情報統制により連戦連勝報道がなされ、それを信じた国民が考えていた条件とは大きくかけ離れたポーツマス条約には日本に対するロシアの賠償金支払義務が無かった為、日清戦争と比較にならない程多くの犠牲者や膨大な戦費(対外債務も含む)を支出したにも関わらず、直接的な賠償金が得られませんでした。戦争が継続されれば日本は負ける可能性が高く国民にその内情を伝えればロシアにも情報が漏れる可能性が有る為に日本政府は機密にしていました。国内世論の非難が高まり、東京を始め各地で事件が起こりました。
 日露戦争で実は日本は破産寸前に米国の斡旋で漸く勝利の形を取れたのです。(米国には別に思惑が有りましたが、それは別の機会に)。「知らしむ可からず」の齎す悪例として有名ですが政府は懲りず、大東亜戦争末期の「大本営発表」は余りにもの出鱈目で有名です。

 

南沙諸島

 中国が領土と拘る南沙諸島は7億tの瓦斯と3億tの石油が埋蔵されてるとの説が有ります。
 広大なEEZや大陸棚の漁業資源や石油・天然ガス資源を当て込み、また安全保障上の要地として利用する目的で、現在は中国を含み、ブルネイを除く5か国が入り乱れて複数の岩礁砂州を実効支配しており、その多くには各国の軍隊・警備隊などが常駐しています。特に中国による埋め立て・浚渫は大規模なものであり、貴重なサンゴ礁及び其処に生息する海洋生物など自然環境の不可逆的な大破壊が懸念されています。

 明・清の官修地誌では、領土の最南端は海南島とされており、南沙諸島は清の領土線の外でした。官修地誌以外の民間著作でも、清の中晩期の『南洋蠡測』(顔斯綜の著)中に「萬里石塘」の記載があり、「此の塘を以て華夷中外の界を分かつ」と記述されています。境界線の位置は海南島の南の西沙諸島付近でした。 また清の乾隆年間の『吧遊紀略』(陳洪照の著)では、海南島付近と推定される「七州洋」を「中外之界」としています。
 アメリカのCSIS戦略国際問題研究所)は2016年1月の報告書で、中国の空母打撃群保有の可能性と併せて「2030年までに南シナ海が事実上中国の湖となる」と警鐘を鳴らしています。

 

衛星

 約20年前の話です。現在は東京上野の国立科学博物館にて展示公開されている、回収・再利用可能な宇宙実験・観測システムの「フリーフライヤー」が「ミウラ折りパネル」の展開に成功しました。
http://aerospacebiz.jaxa.jp/impre/impre004_j.html
 此「ミウラ折り」は、JAXAで宇宙構造工学を研究する、東京大学名誉教授の三浦公亮氏が、元々は人工衛星 のパネル展開などの技術として考案したものです。横の折り目のいずれかに傾斜をつける事で、折り目の重なりを少しずつずらし、折った時に嵩ばらず、か且つ立体的になるように工夫された畳み方です。通常の四つ折りや八つ折りでは、折り目が重なるところがふくらんでしまい、開くときも順を追って一辺ずつ開 かなければなりません。然し、「ミウラ折り」なら、コンパクトに折り畳めるだけでなく、折り畳んだ一端を引くだけで、全体を一気に開けます。重さ・ 大きさを極端に制限され、且つ確実さを保つ為に簡素な構造を求められる宇宙開発の技術に、当に最適の技法なのです。

 3月17日、政府の情報収集衛星が軌道に乗りました。
日本の打ち上げ成功率は1990年以来の集計では世界で5位、2001年以来の集計では1位、急速な技術の進歩が窺えます。

 

Sさんの満州回顧 三中井

 三中井(ミナカイ)と言う、日本では三越並み、新京一のデパートにも何回か出掛けた。幼児にとってデパートは何でも売って居る様に見えて其実何を売って居るかの具体的な認識は出来ない。玩具とお菓子と食堂と屋上の遊園地位しか印象には残って居ない。和服売場が畳敷きで靴を脱いだのは覚えている。
 此デパートの菓子売場でチョコを買って貰ったが一度に全部食べると鼻血が出ると脅かされた。
 デパートの食堂で食事をした事はあるが町なかのレストラン等に入った記憶は殆ど無い。一度、ボーナスの奢りか、何処かの支那料理店で鯉の丸唐揚げを喰った事が有る。日本の中華料理店でも出すが、タレのスパイスが違うし揚げ方も違うので本場の味がしない。
 吉野町と言う繁華街も数回訪れた。夜なのに街がエラく明るいので驚いた。何とか銀座の存在は聞かなかった。
 駅を出てから左手にロシア人経営のモロゾフと言う菓子屋が有り粒チョコを買いに数回寄った事が有る。中にブランディーの入ったチョコを喰った事も有るが1粒では全然酔わなかった。

 

愚痴を聞くバイト

 表題のアルバイトが有るそうで。
 暇な主婦には打って付けだそうですが、無資格でも出来るとか、有料の講座や研修が必要とか、資格授与の詐欺とか色々有るので、用心も必要とか。

 「いのちの電話」相談員が減って苦境に立たされているという記事読んだけど、
・1~2年掛けて資格のために3~4万円自費で研修
・無報酬、交通費さえ出ない
・地域に依っては24時間体制ローテーション
という条件で、なぜ相談員が此ご時世に増えると思っているのか、そちらの方が謎である。2016年11月29日 17:55
とのTwitterユーザー発言に大きな反応が有りました。

 私の知人の主婦は70歳を過ぎています。数日に1度の割合で、気心の知れた女友達から電話が来ます。1〜2時間の通話はザラで、早い話、無償の愚痴聞き屋だと苦笑してました。

 

死後離婚


 未亡人が提出すれば、亡夫の親族に拒否する権利は無い。2005年に1772件だった姻族関係終了届の提出数は、2015年には2783件と、10年で1000件以上も増えている。

 死後離婚の理由として多いのは次の4つだという。

【1】生前夫とうまくいっていなかったが、遺産と遺族年金を受け取る為に夫が死ぬのを待っていた。
【2】夫と仲は悪くはないが、夫の実家と折り合いが悪かった。
【3】夫の死後、お墓の管理や親族の介護などをしたくない。
【4】姻族との繋がりから自由になりたい。

 中部地方に住む宮田愛子さん(59・仮名)の理由は【4】だ。夫とも、其家族とも仲が良かったが、20年以上連れ添った夫の死から2年後に決断した。「夫の死後、通い始めたカルチャースクールで出会った5歳年下の男性に口説かれたのが理由です。仲々男女の関係になる踏ん切りが付かなかったのは、夫の親族の目でした。離れて暮らしていたけど、何だか申し訳なくて……。姻族関係を解消した今は、誰の目も気にする事なく第二の人生を謳歌しています」。夫が死んだ後、自宅や遺品、遺族年金を受け取る権利を持ったまま、煩わしい姻族関係は捨てられる。

 デメリットは無いのだろうか。『死後離婚』(洋泉社刊)共著者の一人で行政書士中村麻美氏が言う。「妻には夫の親の遺産を相続する権利は有りませんし、姻族関係を続ける事で金銭的に得をすることは無い。強いて言えば、もう二度と夫の親族に戻れない事ぐらいでしょうか」

 斯様にに死後離婚がメリットだらけなら、妻を看取った男性がそれを選んでも良さそうだが、そういったケースは殆ど無い。「抑々夫の側には、妻の両親の面倒を見る、という発想自体が無いのです。特に高齢の男性は介護を現実的に考えていません。若し妻の親に介護が必要になっても、自分で手を動かすのではなく、施設に入って貰う事を考えます。そこが男女の違いです」。

 これらは夫がこの世を去った後の話だが、亡夫としても無関係とはいかない。
「例えば、亡夫に兄弟が居なければ、残された家族の介護問題や墓の管理は、妻の役目になる。そういった負担を妻が拒んだ事で、子供に其役目が降りかかるケースが有ります」(共著者でお墓・葬儀コンサルタントの吉川美津子氏)
 死んだ後に家族に迷惑が掛からぬ様、生前から妻との関係は良好にしておくべきだろう。尤も「一緒のお墓に入ります」と承諾されていたとしても、安心は出来ないのだが。

週刊ポスト2017年2月27日号
http://news.goo.ne.jp/article/postseven/life/postseven-492708.html

進化

先史時代のネアンデルタール人の食生活が歯石から判明
Nature
2017年3月9日
Evolution: Prehistoric plaque reveals Neanderthal diet

ネアンデルタール人の食事に明確な地域差があることが、古い時代の歯石(固くなった歯垢の一種)に保存されていたDNAから明らかになった。歯沈着物の遺伝的解析は、現生人類に近縁のヒト族の食習慣(肉の摂取量を含む)に関する手掛かりをもたらす可能性がある。この研究成果を報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。
ネアンデルタール人の食事に関する過去の研究では、それぞれの地域での食料の入手可能性が重要なことが明確に示されたが、ネアンデルタール人が食べていた動植物に関する具体的なデータは少なかった。今回、Laura Weyrichの研究チームは、ヨーロッパで出土したネアンデルタール人の歯石標本(5点)から採取したDNAの配列解析を行い、ネアンデルタール人の食事と健康を遺伝的に再構築した。その結果分かったのは、スピ洞窟(ベルギー)のネアンデルタール人がケブカサイや野生のヒツジを食べていたのに対して、エルシドロン洞窟(スペイン)のネアンデルタール人がマツノミ、コケ、キノコを食べていたことだった。また、Weyrichたちは、口腔内マイクロバイオームを再構築して健康と疾患に関する評価を行った。その結果からは、スペインのネアンデルタール人に歯性膿瘍と慢性の胃腸病原体が見られ、天然の鎮静剤であるポプラや抗生物質を産生するペニシリウム属菌類によるセルフメディケーションを行っていたことが示唆されている。
Weyrichたちは、こうした食事に関する知見に加えて、口腔細菌種の1つについて、ほぼ完全なゲノムを同定した。この口腔細菌は約48,000年前のもので、これまでに同定された微生物の概要ゲノムの中で最古のものとなった。
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/11696/