衛星

 約20年前の話です。現在は東京上野の国立科学博物館にて展示公開されている、回収・再利用可能な宇宙実験・観測システムの「フリーフライヤー」が「ミウラ折りパネル」の展開に成功しました。
http://aerospacebiz.jaxa.jp/impre/impre004_j.html
 此「ミウラ折り」は、JAXAで宇宙構造工学を研究する、東京大学名誉教授の三浦公亮氏が、元々は人工衛星 のパネル展開などの技術として考案したものです。横の折り目のいずれかに傾斜をつける事で、折り目の重なりを少しずつずらし、折った時に嵩ばらず、か且つ立体的になるように工夫された畳み方です。通常の四つ折りや八つ折りでは、折り目が重なるところがふくらんでしまい、開くときも順を追って一辺ずつ開 かなければなりません。然し、「ミウラ折り」なら、コンパクトに折り畳めるだけでなく、折り畳んだ一端を引くだけで、全体を一気に開けます。重さ・ 大きさを極端に制限され、且つ確実さを保つ為に簡素な構造を求められる宇宙開発の技術に、当に最適の技法なのです。

 3月17日、政府の情報収集衛星が軌道に乗りました。
日本の打ち上げ成功率は1990年以来の集計では世界で5位、2001年以来の集計では1位、急速な技術の進歩が窺えます。