不正論文107本!

独医学誌で中国の不正論文107本! 過去最多の取り下げに
2017/5/26 19:46

2017年4月20日(現地時間)、医学・科学分野の論文誌を出版する独シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディアはかつて同社が発行していた癌・腫瘍分野の学術誌「Tumor Biology」に掲載されていた中国の病院や研究機関からの論文107件に不正があったとし、取り下げを発表した。

シュプリンガーの発表によると、学術論文の内容や論文ルールを決める非営利団体「出版規範委員会(COPE)」からいくつかの論文に疑義があるとの勧告が出され、同社が調査を行ったところ「2012年から2017年までに主に中国の研究者によって執筆された論文107件で、査読プロセスが損なわれたと確信させる証拠があがってきた」という。

論文の内容は癌リスクと喫煙の関係を調査したものから腫瘍に対する遺伝子の影響、胃癌、骨癌、前立腺癌、肺癌、肝臓癌などさまざまで、特定の内容でのみ不正があったわけではない。

 日本で理工系分野の研究者として働いている30代の男性は「査読というシステム自体に問題もある」としつつ、こう話す。
「こうした査読不正で論文が取り下げられる例は日本でも欧米でも聞きますが、107件も一挙取り下げは驚きます。数年前からこれだけの規模で不正が行われていたということは、中国の研究者たちの間では常態化しているのではないかと疑念を抱いてしまいますね」

「科学分野では根拠として論文や研究が重要ですが、その内容を歪める手法は多数あります。論文を判断できる知識が無いまま『論文があるから信用できる』といった考え方をするのは危険です」
https://www.j-cast.com/2017/05/26299040.html