宇宙ゴミ

 寿命を終えた衛星、燃料を残したまま軌道上に放置された上段ロケットが爆発し,破砕して破片となったもの、破片が互いに衝突し、時には隕石にぶつかってさらに細かな破片となり、ゴミが自己増殖しています。人工衛星の破片、分解して飛び散った部品やボルトやナット、飛行士が宇宙遊泳中に落としたネジ回し、歯ブラシなどの宇宙生活廃棄物の多くはいずれ地球に落下して大気圏内で消滅しますが,それ以上に新たなゴミが出現しています。しかも、微細なものは何万年も地球を回りつづけます。

 旧ソ連は1968年に最初の衛星破壊実験を実施、中国も過去に衛星破壊実験に「成功」しています。

 カタログ化された追跡可能な直径10cm以上のゴミは2014年現在1.6万個,直径10cm以下のものは70万個以上と推定され、1cm以下のものになると,何十億か知れません。数mm大の金属片と雖も宇宙服に穴を開ける可能性が有り、飴玉大のゴミが直撃すると、ISSも無事では済みません。

 はっきりしている例で、1986年に米国の偵察衛星KH-11が機能を停止したのは,その近くで起きたデルタロケットやフランスの商業衛星SPOT-1の爆発事故で飛び散った破片が原因とされています。