家賃16倍


浅草寺仲見世通り商店街「家賃16倍値上げ」問題 一番の書き入れ時前に店主は憂鬱な日々

2017年11月23日 10時0分 東スポWeb

 浅草寺が9月に突然、来年1月から「周辺の相場」に合わせて家賃を約16倍に値上げする意向を通告。話し合いが大難航している。

「地元の不動産会社は約16倍の家賃は妥当だといいます。しかし突然、16倍にすると言われても納得できません。仲見世通り商店街は、年末年始に向けてこれからが一番の書き入れ時だというのに、商店街の店主は憂うつな毎日ですよ」(地元の商店主)

 浅草仲見世商店街は、江戸時代中期に誕生した日本最古の商店街の一つで、火災焼失を繰り返し、現在は大正時代の関東大震災後に建築された鉄筋コンクリート造りの桃山風朱塗り建物に89店舗が入居している。

 昨年、浅草を訪れた観光客数は3230万人。観光消費額は計985億円に上ったという。

「商店街には人形焼き、おせんべい、お茶、みやげ物、それに雑貨小物におもちゃといった浅草らしい店が軒を並べていますからね。仲見世商店街は観光客が落とすお金の恩恵に預かっているんです」(浅草事情通)

 商店街の土地の所有者は浅草寺。建物は東京都で、平均賃貸料は10平方メートルで約1万5000円と超格安だった。

 今年7月、東京都が浅草寺に建物を約2000万円で売却し、大家の浅草寺が値上げ方針を示した。

「1万5000円が、約25万円になる。地元の不動産屋の算定では妥当な額なんですが、店によって売り上げは違いますからね。中には廃業しかねない店もある。だから、商店街は反対しているんです」(商店主)

 浅草寺は「正式決定ではない」と否定するが、1月から家賃を上げることは間違いないとみられている。