千葉大病院ミス

千葉大病院ミス】CT画像診断の見落とし3年で47件 
医師の連携不足要因

 CT画像の見落としで患者が死亡した千葉大病院の医療ミスは、診療科間で情報が共有されなかった連携不足などが原因とみられる。過去にも各地で同様の画像診断見落としが相次いでおり、昨年までの3年間で47件が報告されている。
 東京慈恵会医大病院(東京都港区)では平成27年10月、貧血で搬送された70代男性にCT検査を実施し、放射線科医が「肺癌の疑いあり」と診断。担当医が引き継がれる中で情報が共有されず、男性の癌は1年放置され、昨年2月に死亡した。
 同病院は昨年7月にも、他の患者2人で肺癌が疑われる画像診断報告書が放置され、その後亡くなったと発表している。いずれも担当医の交代などで情報共有不足がみられたケース。同病院では、年間約8万5千件のCTなどの検査があったという。
 医療事故情報を収集する日本医療機能評価機構によると、画像診断の見落としは昨年だけで32件に上った。名古屋大病院の長尾能雅(よしまさ)教授(医療安全)はミスの背景を「画像診断技術の精度が高くなったことや、電子カルテの普及も大きい。画像が一緒に添付されるが、見ることを忘れてしまう医師もいる」と指摘。再発防止のため「医師に情報を通知して警告したり、それをフォローアップするシステムが必要だ」と強調した。
 今回の千葉大病院のケースについて、厚生労働省の担当者は「報告を受けたばかりだが、再発防止の取り組みをしっかり確認していきたい」と話した。

06/08 22:42 産経新聞