バター値上がり


バターが値上がりしてますね。
価格の推移を見ると、1箱200g当たり、1950年に現在換算価格で約4000円、1960年で約1300円、1970年で約600円、1980年で約370円、1996年に281円で「底打ち」、2016年で433円 (農水省統計)。
以後、メーカーに依って高下は有るものの、急騰して2018.03.10現在、雪印でアマゾン通販価格が700円です。

☆   ☆   ☆

バターの歴史 (Wikipedia)

容器に入れた生乳が偶然揺れただけでもバターは出来るため、起源は不明。少なくともメソポタミア文明の時代(紀元前5世紀頃)には存在していた。『聖書』や『マハーバーラタ』(乳脂として)にも記述が存在するのでその時代には存在していたとされる。

そうしてアブラハムはバター(凝乳)と牛乳と子牛の調理したものを取り、彼らの前に供え、木の下で彼らのそばに立ち給仕し、こうして彼らは食事した。
— 『創世記』18:8

バターが作られだした当初は皮製の袋に生乳を入れて木に吊るし、それを棒で打って揺すって作っていたと見られる。その後バターはケルトヴァイキングベドウィンといった牧畜の盛んな諸民族へと伝わっていった。

バターは古代ギリシア時代にスキタイから地中海世界に渡り、ブトゥルム(buturum)-ウシのチーズ-と呼ばれた。野蛮人の食べ物と見られたこと、オリーブオイルが普及していたこと、チーズと違い保存性が無いことなどから、髪や体に塗る薬、化粧品、潤滑油として、ごく一部で使われていた。

南ヨーロッパでは中世になってもバターは殆ど知られておらず、イタリアの料理書にバターが登場するのは15世紀になってからの事である。ピレネー・アルプス以北のヴァイキングとノルマン人の征服を受けた地域からバターは定着し始め、14世紀にかけてオランダ、スイスへと広がったが、ノルマン系ではない貴族にとっては「野蛮人の食べ物」という見方は変わらず、貧しい者の食べ物とみなされていた。フランスで本格的に食用として利用されだすと、ようやく貴族もバターを食べ始めた。

歴史学者ジャン・ルイ・フランドランは14世紀から17世紀のヨーロッパにおけるバター・オイル圏を画定しているが、現在でもヨーロッパでは「オリーブオイルが主流の地域」と「バターが主流の地域」がはっきりと分かれている。基本的に、バターを保存しやすい寒冷な土地でバターが普及していると見てもいい。それ故、スカンジナビアでは少なくとも12世紀頃にバターの輸出が始まった。

日本では江戸時代に徳川吉宗が、明治時代にはエドウィン・ダンがバターを試作している。江戸時代には極僅かではあるが生産されており、オランダ語に由来する「ぼうとろ」、あるいは「白牛酪」という名称で呼ばれ、購入者は削って食べたり、湯に溶かして飲んだ。本格的にバターが日本に広まったのは明治維新の後、明治政府が外国人相手に乳製品を供給するため、酪農の普及を指示してからである。

19世紀末、戦争の混乱でバターの価格が高騰し、ナポレオン3世の命令で、バターの安価な代用品として作られたのがマーガリンである。